このページでは、ウィッグに興味があるけど、人毛と人工毛、どちらがいいのか悩んでいる方のために、人毛と人工毛の違いやそれぞれのメリットやデメリット、お手入れ方法などを紹介していきます。
Contents
ウィッグは2つの種類がある
まずは、ウィッグの種類について紹介します。
人毛は脱色やカラーリングが施されている
人毛とはその名の通り、本物の人の毛を使用しているウィッグです。日本で販売されているものは毛質や髪色が似ている中国人の髪の毛が多く使われています。
切りっぱなしの状態のままウィッグに加工されることは基本的にありません。キューティクル(髪1本1本の表面を覆って守っている鎧)を除去して、脱色、カラーリングの処理を施してからウィッグとして加工することがほとんどです。ただし、高級ウィッグ店の中にはキューティクルを残すためにあまり処理を行っていない「レミーヘア」と呼ばれている人毛を使っているお店も存在しています。
人工毛(ファイバー製)はデザインの再現性の高さがウリ
人工毛は化学繊維(ファイバー)で作られたウィッグのことです。デザインの再現のしやすさ、価格が安いのでおしゃれウィッグとして若い人に人気となっています。
近年ではポリエステル繊維が使用されており、触った感触や見た目が人毛に近いため、人工毛ウィッグのテカリや化学繊維のツヤを抑えることが可能です。また、ポリエステルは「形状記憶」という性質があるため、ウィッグにつけられているスタイリングが長持ちする為、朝にスタイリングした髪型が夜に大きく崩れてしまうという心配もありません。
人毛のメリットとデメリット
次に人毛のメリットとデメリットについて1つずつ紹介していきます。
1.見た目や手触りが自然なのでウィッグとはバレにくい
人毛ウィッグは他人の髪の毛とはいえ本物を使っていますので見た目、手触り、質感やツヤ感に違和感がないのが特徴です。その為、自然で顔や肌になじみやすい為、ウィッグとはばれにくのがメリットとなります。
部分用かつらとして使う場合でも、人毛なら自分の髪の毛となじみやすいので違和感がなく「かつらやウィッグだとバレたくない」という方は人毛ウィッグを選ぶほうがいいかもしれません。
2.ドライヤーを使ってセットすることが可能
人工毛だと型崩れしにくく、熱に弱いためドライヤーをしてしまうと変形や縮みの原因になってしまいますが、人毛なら自分の髪の毛と同じようにドライヤーを使用したり、ヘアアイロンでスタイリングすることが可能です。
3.パーマやカラーリングが可能
人毛ウィッグはパーマやカラーリングができることもメリットの一つです。自分の髪の毛と同じようにカラーリング剤で染めることができ、カールをつけることもできます。
薄毛が進んでいくと、ヘアスタイルを楽しめなくなってしまいますが、人毛のウィッグで毛の量が増えれば自分の好きなヘアスタイルだけでなく、今までできなかったスタイルにもチャレンジすることが可能となります。
4.専用のシャンプー・リンスの必要がない
ウィッグとはいえ、本物の髪の毛を使用しているので専用のシャンプー・リンスといったケア用品を用意する必要もないのもメリットといえるでしょう。
その為、自分の気に入っているシャンプー・リンスから変える必要もなく引き続き使用することができます。
1.人工毛ウィッグと比べて値段が高い
人工毛ウィッグは安ければ数千円で購入することができますが、人毛ウィッグは安くても数万円はします。
メーカーや毛のグレードによって異なってきますが、人の髪の毛を使ったウィッグの相場は15万円~30万円程度です。人工毛は化学繊維で作られているので大量の生産が可能ですが、人毛は需要に対して供給量が追いついておらず、また買い取る為のコストもかかっているので、その分値段に反映されます。
2.色褪せや退色などがある
人毛ウィッグは太陽光といった外からの刺激によって少しずつ色褪せていきます。目安としては半年から1年程度で色褪せが目立ってくるので、その都度染め直しが必要です。更に、部分的に使用をしている場合は自分の髪の毛と違和感がないように色を調整していく必要があります。
3.こまめなお手入れが必要
人毛は自分の髪の毛と同じようにシャンプーやブラッシングなどでこまめにケアする必要が出てきます。人工毛であれば形状記憶され、形が崩れにくいため雨などで濡れても自然乾燥だけで済むことがほとんどですが、人毛は雨や湿気によってペタッとしたり形が崩れてしまうので、ヘアケア剤やドライヤーを駆使しないといけません。
専用のシャンプーやヘアケア剤を用意する必要がない面はメリットといえますが、ヘアケアやスタイルングにそれなりの時間がかかってしまう部分は人毛ウィッグのデメリットといえるでしょう。
4.個体差がある
髪の毛はひとりひとりの特徴があります。くせ毛、細い太いなどの個体差があるため、気に入った商品があり、リピートしたからといって前回とイメージ違うということもあります。
人毛ウィッグは本物の毛を使っている為、同じ人の髪の毛を提供されるわけではありませんので注意しましょう。
人工毛のメリットとデメリット
人毛のメリット・デメリットについては理解できたでしょうか。次は人工毛のメリット・デメリットについて紹介していきます。
1.安価で種類が多い
人工毛ウィッグの大きなメリットは人毛ウィッグと比べて安くて種類が豊富です。見た目の自然さでいえば、軍配は人毛に勝てないかもしれませんが、種類の豊富さは圧倒的といえるでしょう。
リーズナブルで安価なものもあれば、高品質で高級なものまで様々あるので、ファッション用としてあるたくさん欲しい方やウィッグ初心者の方が試しに買うときにオススメです。
2.人毛と比べて負担が少ない
人毛ウィッグだと重みで肩や首が凝るということがありますが、人工毛は化学繊維を使っている為、軽量で体に与える負担は少ないです。
その為、これからウィッグをつけようと考えている方、初めて着用する方にもストレスが少ないのも一つのメリットといえるでしょう。
3.お手入れが楽
人毛ウィッグは本物の髪の毛を使用していますので、小まめなお手入れが必要となり手間がかかってしまいます。人工毛のポリエステル繊維であれば形状記憶がある為、雨で濡れたとしてもウィッグスタンドにかけて乾燥させるだけでスタイリングを保つことが可能です。
人毛の場合は毛がうねったり、ペッチャンコになったり手入れに苦労する人も多いですが人工毛ウィッグであれば初心者の方でも簡単にお手入れすることができます。
4.デザイン性が豊富
人工毛は人毛と比較してもたくさんのデザインが用意されています。ウィッグを販売しているメーカーも増えてきており、商品開発に力を入れています。おしゃれなものから、遊び心のあるカラーリングなど、季節やシーンによってウィッグを楽しむことが可能です。近年では高品質なものでもリーズナブルな価格で手に入るようになっています。
1.ウィッグ特有のテカリがあり、馴染まないこともある
人工毛ウィッグは化学繊維を使っている為、人毛にはないファイバー特有のテカリが出てきてしまうのがデメリットです。その為、おしゃれ用として使うのであれば問題ありませんが、ウィッグやかつらだとバレたくない人は、テカリが少なく品質の高いものを使う、ウィッグだと分からない自然なものになっているのか確認する必要があります。
また人毛ウィッグと比べて色や材質で自分の毛と馴染みにくいものもたくさんありますのでウィッグ選びを間違えると「違和感が……」なんてことも少なくないでしょう。
2.人工毛ウィッグは熱に弱い
人工毛ウィッグは熱に弱くドライヤーやアイロンを使用すると、縮れたりダレたりするなど繊維を傷めてしまう可能性があり、もっとひどい場合は溶けてしまうこともあります。近年では耐熱加工をしているウィッグもありますが、耐えられる熱の温度に限界がありますので、人工毛ウィッグでヘアアレンジを楽しみたい人は注意が必要です。
どれだけの熱に耐えられるかはウィッグによって異なり、軽いドライヤーしか使えないものからヘアアイロンまで対応しているものもあります。
3.静電気を起こしやすい
人工毛ウィッグは化学繊維は水分量が人毛よりも少なく乾燥しやすい素材となっている為、電気を貯めやすい特徴があります。さらに頭の上につけているため動くだけで摩擦を繰り返すので、静電気を起こしやすくなっているのです。
静電気が貯まるとブラッシングをする時に毛が絡まったりするだけでなくウィッグを傷めたり、寿命を縮めるに繋がりますので注意しましょう。
それぞれの手入れの仕方
人毛と人工毛のメリット・デメリットについてお伝えしましたが理解できたでしょうか。次は手入れの方法について紹介していきます。
人毛・人工毛の共通点
頭皮は体の中でも汗腺が多いので汚れやすい場所の一つとなっています。ウィッグを装着すれば汗や汚れがついてしまうので、人毛・人工毛も関係なくお手入れをしないと雑菌が増殖したり、型崩れを起こしてしまう可能性があります。少なくとも10日に一回はシャンプーとトリートメントをしましょう。
また、毎日洗う必要はありませんがもつれをほぐす為に毎日のブラッシングは必要となります。しかし、力を入れすぎてしまうと傷んでしまい元に戻らなくなりますので、毛先から丁寧にブラッシングしていきましょう。
人毛の場合過度なドライヤーは禁物
人毛ウィッグの手入れ方法は、粗目のブラシで軽くブラッシングを行い、絡まりを取っていきます。その次に大きめの洗面器にぬるま湯をウィッグがしっかりと浸かるまで溜めて、自分が普段使っているシャンプーを使用して優しく洗ってください。
洗い終わった後は、バスタオルなど大きめのタオルで水気を取ってからウィッグスタンドに乗せて自然乾燥をするか冷風のドライヤーを当てて乾燥させます。温風のドライヤーだと必要以上の脂分や水分を奪ってしまい寿命を縮めてしまいますので注意しましょう。
またシャンプーはノンシリコンよりもシリコンが入っているほうがウィッグの劣化を抑えることが可能です。
人工毛の場合は柔軟剤を使用する
人毛であればリンスやトリートメントを使えばしっとりとした感じになりますが、人工毛ウィッグを洗う場合は柔軟剤を使用します。洗い方は基本的に人毛と同じでぬるま湯に柔軟剤を入れてウィッグを着けて優しく洗ってください。その後、1時間~2時間ほど着け置きすれば購入時のようなサラサラした髪に戻って、ウィッグの寿命を長持ちさせることが可能です。
人工毛ウィッグには専用のスプレーを使おう
化学繊維を使用している人工毛ウィッグは静電気が発生しやすくなっています。その理由としましては、化学繊維は水分量が少なく乾燥しやすい素材となっている為、電気が貯まりやすいからです。また、頭の上につけるため人が動くだけで摩擦を起こしてしまうので静電気が発生しやすい条件が整っています。
静電気の対処方としては、ウィッグ専用のスプレーを使うことです。本来は髪の絡まりやもつれを直す為のアイテムとなっていますがスプレーによってオイルが髪に馴染み、保湿に加えて滑りが良くなるので静電気が起こりにくくなります。
ウィッグ専用のスプレーを購入していない時は、ベビーパウダーや衣類などの静電気防止スプレーでも静電気を抑えることが可能です。
また、静電気の発生しにくいブラシを使って、ブラッシングを行うことも静電気対策の一つです。静電気で絡まってしまった毛を放置しておくと人工毛ウィッグの寿命を縮めてしまうことになりますので、毎日ブラッシングをして静電気を逃がすのも有効です。
あまり力を入れてしまうと、抜け毛の原因にもなるので、優しく丁寧にブラッシングしましょう。
どちらを使うのも自由だがお手入れはしっかりと
人毛ウィッグと人工毛ウィッグのメリット・デメリット、お手入れの方法を紹介してきました。人毛ウィッグは本物の髪の毛を使用している為、カラーリングやパーマができるなど自由度が高い反面、値段も高いのが特徴です。
人工毛は値段が安価でデザインなど種類が豊富ですが、化学繊維特有のテカリや熱に弱いため、人毛のようにヘアアイロンなどが使用できません。
人毛も人工毛もお手入れをしっかりと行わないと、すぐに傷んで寿命を縮めてしまいます。正しい洗い方でウィッグを洗って、買ったときのような綺麗で清潔な状態を保ち、いつまでも大切に使っていきましょう。
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